オールド・スクールとは

ストリートダンスはよく、そのダンススタイルによっていくつかに分類されることがあります。すなわち、ロッキング、ブレイキング、ポッピング、ヒップホップダンス、ハウスの5種のことです。もちろんここに、路上(ストリート)のダンス(舞踊)という意味で、サンバやカポエイラ、ジャズダンスが入らないわけではありませんが、通常ストリートダンスというと先の5種が代表と考えられるのです。

yukatauveron_ヒップホップダンスその一方で、ストリートダンスを時系列にみた場合、時代的な区分としての線引きができるという考え方もあります。オールド・スクールとは、まさにこうした考えの基に生まれた概念であり、1970年代初頭からはじまる、文化としてのヒップホップの黎明期を意味する言葉として使われています。ストリートダンスにおける大きな転換期であり、この時期に注目することで、ヒップホップ文化のスタイルが確立されていく経過を垣間見ることが出来ます。

現在ヒップホップ文化のエレメントを構成するものは、ラップ、DJ、ブレイクダンス、グラフィティアートと言われます。なかでもDJという役割の確立こそが、ヒップホップミュージックの成立を意味するという向きさえあるほどです。オールド・スクールとは、まさにクール・ハークやグランドマスター・フラッシュ、そしてアフリカ・バンハータの3大DJが活躍した時代であり、ヒップホップがコミュニティ・パーティを超えた音楽として発展し始めた時期とも言われています。

この時期、サンプリングや編集ソフトを駆使し、ドラムフレーズを分解しシーケンサーで再構築するブレイクビーツの技術が、クール・ハークやアフリカ・バンハータによって確立されていきます。同時期、まさにヒップホップがヒップホップと呼ばれるようになり、グランドウィザード・セオドアが発見したターンテーブルを使った特殊なリズムの反復再生方法が、その親戚であるところのグランドマスター・フラッシュによって、スクラッチとして広められていったことも、オールド・スクールの大きな特徴です。

かくして、マスメディアを巻き込んだ巨大な潮流が、ヒップホップといううねりとなってストリートダンスの世界を席巻します。人気が高まるにつれ、その音楽の演奏の最中に、マイクパフォーマンスに興じる人々が登場し、MCとして人気を博し、思想的な深みを持つ曲も登場するなか、著名なラッパーは大衆におもねる者と揶揄されることもあったほどだったのです。